(1)事業環境について
①市場環境及び競合について
外食産業を取り巻く環境は、人口減少社会と言われる我が国において、外食費用の高騰、食の安全性に対する消費者意識の高まり等により、今後も厳しい状況が予想されます。
このような国内需要の構造的な減少を背景に、近年は訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加が外食需要を下支えする要因となっておりますが、当該需要は為替動向、国際情勢、各国の出入国規制、観光政策等の外部要因に大きく左右されやすく、必ずしも安定的・継続的に見込めるものではありません。
また、外食業界は、他業界と比較すると参入障壁が低いため新規参入が多く、個人消費の低迷に加え、インバウンド需要の取り込みを目的とした競合店の増加や価格競争などにより、今後も競争環境は続いていくものと考えます。
このような状況の下で、当社グループは店舗のコンセプトを明確にし、競合他社との差別化を図っておりますが、今後、競争状態がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 原材料の価格変動等によるリスクについて
当社グループが提供する製品の原材料である小麦粉、食肉等については、厳選された海外産を国内輸入業者の十分な品質検査を経て仕入れておりますが、その調達価格は、国際的な商品相場の動向、世界的な消費量の増加による需給バランスの変化、ならびに為替相場の変動等の影響を受けております。
特に、円安の進行等による為替相場の変動は、輸入原材料の調達コストを直接的に押し上げる要因となります。
また、原材料の生産地域における異常気象や自然災害による収穫量の減少、家畜伝染病等の発生に伴う輸入停止、政変や社会・経済情勢の変化、さらにはテロや戦争等による国際物流の混乱などにより、原材料の安定的な調達に支障をきたす場合があります。これらの要因により原材料の価格が高騰した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 大規模自然災害の発生について
当社グループは、日本国内各地に店舗と製麺及び食材供給のための工場を多数有しております。ここ数年、国内においては、2011年3月に起こった東日本大震災を筆頭に地震、台風、豪雨等の大規模な自然災害が発生しており、今後も自然災害の規模によっては、店舗の一時休業、製麺・食材の供給遅れ等の事態を招くことが想定されます。
当社グループでは、こうした災害の発生しやすい自然環境を前提としてBCP(事業継続計画)を策定し、直営店舗、工場、及び本社等における不測事態における避難場所や緊急連絡方法等を明記した危機管理マニュアルを配付し、万全を期しております。しかしながら、自然災害の規模が想定以上となった場合においては、店舗や工場等のスタッフの人命にかかわる状況を招くなど、停電や風水害等により工場が機能停止に至るおそれがあります。
このように想定以上の大規模自然災害が発生した場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ パンデミックの発生について
2019年末から2023年頃にかけて発生・拡大した新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、多くの人命を奪うとともに、世界経済に大きな打撃を与えました。
日本においては、政府、各自治体から営業時間短縮を始めとする営業自粛要請が発せられたことに伴い、当社グループの事業においても少なからず影響を受けることとなりました。
ただし、当社グループの提供する飲食事業は、日常食であるラーメンに特化して展開しており、お祝い事や記念等において利用される「ハレ消費」の飲食事業モデルとは一線を画することから、影響は一定の範囲にとどまったことが確認されております。
今後、過去の新型コロナウイルス感染症と同等又はそれ以上の規模・期間に及ぶ新たなパンデミックが発生した場合には、再度の営業制限や人流抑制、原材料調達や人員確保への影響等が生じ、その内容や期間によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。